LISTEN: RSS B0YS // N00W

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今年の1月の音源を今引っ張りだすのは正直どうかと思うが……いや、しかしこれは凄い。ポーランドを拠点に活動するアーティスト、RSS B0YSSangoplasmo recordsからカセット作品『N00W』をリリースしている。

Andy StottDemdike Stare、最近アルバムを出したSHXCXCHCXSH、またOpal Tapesの一連の作品に通ずる漆黒に染め上げられた電子音。最高に歪んだ音がそこらじゅうを跋扈し、こちらの精神まで歪めてしまいそうな重低音が胸を打つ。分離感のあまり無い音像もまた臨場感を高めるのに一役買っており、この作品を聴いていると回路がイカれ奇怪な音が鳴りまくる故障した宇宙船の中で人生最後の一時を過ごすような、諦観と安寧が入り交じる妙な気持ちになる。

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こいつらのこういう謎めいた格好とか設定も最高。ズブズブの闇テクノが好きな方、これはマストです。

購入はこちらから。

Words by @La_reprise

LISTEN: The Infants // LOW RUMBLE EP

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どこか退廃的なポスト・パンクを奏でるオーストラリアのバンドThe Infantsの新作『LOW RUMBLE EP』が中々にスマッシュな作品。Bandcampにて公開されているので是非聴いて欲しい。

ジャケットは正直残念なレベル(いや、逆に良いとも言えるのか?)。しかし音楽性はというと、そのダメと言われるギリギリの高度と上等のポスト・パンクの間を行ったり来たりするアンバランスさを保っている。上手いかと言えばそういう感じではないのだけれど、この絶妙なクセの強さは痛快な個性でしかない。アー写のダサさから想像に難くないこのチープすぎるシンセや打ち込み、女性ヴォーカルも更なる絶妙な雰囲気を醸し出す。どことなく英国気質な、というかUS BABY BEAR BONESとか2:54のようなエクスペリメンタル・ポップ寄りのバンドとも共通項を求められるような、気怠さ。時には脳天に突き刺さるハードコア性を見せつける所も(例えば楽曲の「Ape」や「Stranger」は彼女らのパンクらしさを存分に味わえる)。エクスペリメンタルとは言ったものの、彼女らの作る音は決して実態の無い靄か何かを掴むかのようなモノでは無く、ずっとフィジカルな魅力が溢れた作品で、とても心地よくリスナーをノックしてくれるはずだ。

Words by @TakeMusik2

LISTEN: John McCowen & Vibrating Skull Trio

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オークランドの作曲家/クラリネット奏者、John McCowenが自身のグループであるVibrating Skull Trioの新作のプレヴュー音源を公開。

クラリネットはエリック・ドルフィーの演奏の音符にならない部分のみを切り取って持続させ、三味線などの古楽器に特徴的な“さわり”の音を散乱させているかのようなパーカッションと絡まり合い、プリペアド・ギター(大友良英も演奏する楽器ですね)は奇妙な音で奔放にかき鳴らされている。ストイックな緊張感が支配する、まるで悪魔崇拝の密儀のような陰鬱でおどろおどろしい15分弱のフリー・インプロヴィゼーション/ドローン。

John McCowenはBandcampでソロ・アルバムをリリースしている。自身のレーベル名は〈DAAAAAANG〉。

クラリネットをディジュリドゥやギターのフィードバック・ノイズのような音色で演奏するユニークな前衛作品。インプロヴィゼーションとはいえミニマルな側面が強く、楽曲の構造は彼の脳内にはっきりと描かれているのだろう。

こちらは彼のエレクトロニック・ミュージックのプロジェクトだろうか。IDM的なビートのランダム感を飲み込んだアヴァン・エレクトロ。シンセ・ストリングスが波のよう寄せては返す。

“new music”や“post modern”といったタグもユニーク、というか彼のアカデミックな側面がかいま見える。そして目を引くのが“NOT FOR SHITTY LAPTOP SPEAKERS”というメッセージ。クソみたいな音で聞いてくれるな、ということだろう(「パソコンのスピーカーで聞いてもいい音になるように作っている」と言っていた渋谷慶一郎と真逆のアティチュード)。そのあたりがポストモダニストなのか旧式のモダニストなのか微妙なところだけれど(2014年に「ポストモダン」を自称することが果たしてポストモダン的と言えるのだろうか……)、ひとまずVibrating Skull Trioのフル・リリースが楽しみに待とう。

Words by @shit_pie

MP3: rituals. // ceramic spaces

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冷夏が続いたせいか今年はなんだか時が経つのが早い、わけですがみなさんいかがお過ごしでしょうか。カセットシーンの盛り上がり冷めやらぬ昨今、アンビエント・ドローン/コラージュ/ニューエイジな良作がまたリリースされてます。オーストラリアはメルボルンを拠点とする謎プロジェクト、rituals. のデビューアルバム『ceramic spaces』が公開。デジタルデータはname your place。

まあいろいろと見方はあるでしょうが、ヴェイパー以降のアンビエントを牽引しているバンクーバーのレーベル〈1080p〉や短期間でオンライン・エクスペリメンタル・シーンの重要な存在と成り代わった〈Noumenal Loom〉的なデジタルネイティヴ世代におけるニューエイジ的質感があります。このサイバー空間に吸い込まれてイメージというのは「Constant Index」に端を発する世代感覚なのかなあ、などと思いを巡らせたりもしました。このローファイ・シンセ感、今となっては手垢のついた”よくある”アンビエントなんて言われそうですが、Oneohtrix Point Never がそうであったようにこの手のアーティストはいつ化けるかわからないので要注目です。

今年みられたこのあたりの関連諸作、AuscultationS.T.』、Gora SouLiving XXL』などと同じ棚に置いて

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「納涼カセット 2014」とか「COOL AMBIENT」とかして楽しみたい一品です、けれど今年はもう秋みたいですね・・・。

Words by @az_ogi

HHW-MIX: #18 Melo Flamez

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Tracklist:

  1. Sob//Tear//Cry
  2. Please.Dont.Make.Me.Kill.You
  3. SenpaiNoticeMeNoticeMeSenpai
  4. Think Im Jon Talbain
  5. Mt. Lean 
  6. Suta Ai
  7. Synth Sex
  8. Eterna
  9. MyLoveMeetsYours
  10. Rowbohtnik
  11. Capsule Corp Groove
  12. God
  13. Choose Your Character
  14. Melodious Springs​

Melo Flamez:

サウンドクラウドを舞台に毎日のように新曲がポストされていくポスト・トラップのシーン。それらに属す彼らはお互いの曲を頻繁にリポストすることで拡散に努めている。目ぼしいプロデューサーの全てが4ケタのフォロワーを獲得しており、明確な盛り上がりを見ることができる。

さて、そんなポスト・トラップもといサウンドクラウド・トラップにおける人気者といえばDRIP-133やdrkが挙げられるが、今回HHW-MIXを提供してくれたMelo Flamezも無視は出来ない存在だろう。

2014年の音楽において大きな役割を持つようになった「ゲーム」だが、その影響を強く感じるのはこのポスト・トラップのシーンであって、RPGのようなファンタジーであったり、プレステの起動画面で走る光を想起させるようなサイバー・サイケデリックをそこには見ることが出来る。そして、このMelo Flamezは分かりやすくファイナル・ファンタジーだ(キングダム・ハーツの13機関?)。

全篇が彼のトラックからなる豪華仕様の本ミックス。前述のファンタジー・オン・ゲームな世界に広がるニューエイジ。氷の洞窟、水没都市、森の神殿、闇の世界、天空都市…。ああ、私たちは音楽を愛すのと同時にゲームに没入していた時期が必ずどこかにあったなぁ。

more Melo Flamez:

Words by @LIL_SEGA

INTERVIEW: New Masterpiece

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日本のネットレーベル〈New Masterpiece〉の主宰・hitachtronics氏に、メールによるインタビューを行なった。コンスタントなリリースかつ統一されたクリエイティビティ。という、(ネット/フィジカル/インディ問わず)音楽レーベルとしてのシンプルな原則に忠実なこのレーベルは、群雄割拠のネットレーベル時代を越え、円熟期とも言える現在のシーンをどう見るか。

interviewed by @y0kotetsu

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LISTEN: Adebisi Shank // This Is The Third Album Of A Band Called Adebisi Shank

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もしあなたがエレクトロ好きであれば、チェックしてもきっと損は無いはずだ。アイルランド発マス・ロック界の異端児、Adebish Shankの3作目『This Is The Third Album Of A Band Called Adebisi Shank』が恐ろしいほどの快作だ。彼らのファーストから作品のタイトルが一貫してるだけれど、単純に前作を継承するようなぬるさは一切抜き。よりぶっ飛んだ姿を見せつけてくれている。

彼らの作品は、既に普遍的マス・ロック(普遍的という表現が既にマス・ロックとして矛盾を孕んでいる)とは一線を画す。そもそも、彼らの音楽は、マス・ロック・ファンだけに向けられているものではないし、あらゆる音楽リスナーに対して問う作品になっているのではないかと思う。

インストゥルメンタル・ロックの傑作とも数えられる彼らは1stの頃は、紛れもなくマス・ロックというジャンルで語られる作品だった。しかし現状、彼らの音楽は何か一つのジャンルで括られることを拒絶するかのような作品に仕上がっている(自称「ロック」らしいが)。彼らのように、マス・ロック/ポスト・ロックから変容し、エレクトロニカに接近する例は少なくない。有名なところで言えば65daysofstaticなぞ最たるものだし、AUCANのようなバンドも元来のマス・テクスチャーを散りばめた電子音楽として、新境地を開拓しようとしている。Adebisi Shankも変化を受け入れ、新しい姿を見せつけてくれているのだが、挙げた二つのバンドと比べれば遙かにバンド・サウンドが強調されている。

今回の作品もバラエティに富む。アートワークは電球頭のボディ・ビルダーという正直ドン引きなジャケットなのだけれど、これこそが作品の本質的なものを描いているかもしれない。前作以降、大胆なプログラミングを導入していたが、今作では彼らのエレクトロ要素を一層肉感的な形で、あくまでバンド・サウンドとして分かる形で作り込んでいる。中でも存分に個性を爆発させている楽曲「Mazel Tov」(ヘブライ語でGood Luckに類似するような単語らしい)なんて、近所の家電量販店だとかスーパーマーケットだとかで流れててもおかしくないような取っつきやすさがあるブラス・ファンク・チューン。続く「Sensation」なども、最早全部打ち込みかと思わせる楽曲を繰り広げるのだけれど、だからこそライブでどのように披露してくれるのかが気になるところ。ファンファーレのような「Voodoo Vision」から静かに終わりを告げる「(Trio Always)」の流れも絶妙だ。踊り狂うには必携の一枚。

Words by @TaKeMusik2 

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