INTERVIEW: New Masterpiece

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日本のネットレーベル〈New Masterpiece〉の主宰・hitachtronics氏に、メールによるインタビューを行なった。コンスタントなリリースかつ統一されたクリエイティビティ。という、(ネット/フィジカル/インディ問わず)音楽レーベルとしてのシンプルな原則に忠実なこのレーベルは、群雄割拠のネットレーベル時代を越え、円熟期とも言える現在のシーンをどう見るか。

interviewed by @y0kotetsu

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LISTEN: Adebisi Shank // This Is The Third Album Of A Band Called Adebisi Shank

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もしあなたがエレクトロ好きであれば、チェックしてもきっと損は無いはずだ。アイルランド発マス・ロック界の異端児、Adebish Shankの3作目『This Is The Third Album Of A Band Called Adebisi Shank』が恐ろしいほどの快作だ。彼らのファーストから作品のタイトルが一貫してるだけれど、単純に前作を継承するようなぬるさは一切抜き。よりぶっ飛んだ姿を見せつけてくれている。

彼らの作品は、既に普遍的マス・ロック(普遍的という表現が既にマス・ロックとして矛盾を孕んでいる)とは一線を画す。そもそも、彼らの音楽は、マス・ロック・ファンだけに向けられているものではないし、あらゆる音楽リスナーに対して問う作品になっているのではないかと思う。

インストゥルメンタル・ロックの傑作とも数えられる彼らは1stの頃は、紛れもなくマス・ロックというジャンルで語られる作品だった。しかし現状、彼らの音楽は何か一つのジャンルで括られることを拒絶するかのような作品に仕上がっている(自称「ロック」らしいが)。彼らのように、マス・ロック/ポスト・ロックから変容し、エレクトロニカに接近する例は少なくない。有名なところで言えば65daysofstaticなぞ最たるものだし、AUCANのようなバンドも元来のマス・テクスチャーを散りばめた電子音楽として、新境地を開拓しようとしている。Adebisi Shankも変化を受け入れ、新しい姿を見せつけてくれているのだが、挙げた二つのバンドと比べれば遙かにバンド・サウンドが強調されている。

今回の作品もバラエティに富む。アートワークは電球頭のボディ・ビルダーという正直ドン引きなジャケットなのだけれど、これこそが作品の本質的なものを描いているかもしれない。前作以降、大胆なプログラミングを導入していたが、今作では彼らのエレクトロ要素を一層肉感的な形で、あくまでバンド・サウンドとして分かる形で作り込んでいる。中でも存分に個性を爆発させている楽曲「Mazel Tov」(ヘブライ語でGood Luckに類似するような単語らしい)なんて、近所の家電量販店だとかスーパーマーケットだとかで流れててもおかしくないような取っつきやすさがあるブラス・ファンク・チューン。続く「Sensation」なども、最早全部打ち込みかと思わせる楽曲を繰り広げるのだけれど、だからこそライブでどのように披露してくれるのかが気になるところ。ファンファーレのような「Voodoo Vision」から静かに終わりを告げる「(Trio Always)」の流れも絶妙だ。踊り狂うには必携の一枚。

Words by @TaKeMusik2 

LISTEN: 〈PURRE GOOHN〉, AOR

彼らの存在を知ったのは正直に〈PURRE GOOHN〉からのプロモーションのメールだったが、AORはHHW的に取り上げずにはいられない。公式のプロフィール曰く、

  • NY在住の実験音楽家のEricoWakamatsu、自身のバンドquiet actingでも活躍中のフレットレスベーシスト、ハマツヨシフミ、murmur records 相田悠希の3人で結成された新感覚実験音楽トリオ。
  • ノイズと即興、オーディオプロセッシングといったこれまでの実験音楽の要素をロックとヒップホップのリズムで展開する。フレットレスベースを軸としたその特異なバランス感覚による電子音楽は、美術、舞台の領域から、「Ametsub, shotahirama 以降の電子音楽はこうなっていくのではないか」という電子音楽の一歩先を予見する声すら上がっている。

とのことで。

日本はノイズの国であると同時に電子音楽、エレクトロニカの輸出国でもある。それを説明するにあたって作家を引用するならば、彼らのプロフィールにもあるAmetsubやshotahiramaは勿論こと、Ryoji IkedaやRei Harakami、Piana、Kashiwa Daisuke、teruyuki nobuchika……うん、きりがない。

東京から現れたグループ・LLLLが伝統的なジャパニーズ・エレクトロニカの感性からチルウェイヴやドリーム・ウェイヴ方面へとベクトルを広げたのだとしたら、このAORは同じ地点からレフトフィールドに舵を切っている。そのバランスはメトロノリにも通じるものがあって。メランコリック、ダウナー、そして前提としてのポップ。

さて、彼らは今後も引き続き僕たちに夢を見させてくれるだろうか?個人的な希望としては、その夢には黒く染まっていて欲しいが、それは彼らに強要すべきではないだろう。

それにしても日本の音楽、盛り上がってるな~!

Words by @LIL_SEGA

MP3: Mensa Group International // FJORDS, VOL. V

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Mensa Group Internationalが〈Ailanthus Recordings〉からフリーダウンロードで『FJORDS, VOL. V』を公開している。

Ailanthus Recordings〉からのリリースということでしっかりと「Vaporwave」のタグが入っているわけだが、実際のところLuxury Eliteとリリースした初期作の「Split LP」からややヴェイパーウェイヴのマナーからは外れた作風で、その音楽的なズレは彼が「FJORDS」と名付ける作品の数字増える度に大きくなっていく。

そして、今回の作品は今までの中で最もそのズレが大きい作品だと言っていい。M1「Stanley Parable」〜M2「V」の流れや「Wavvves」の強いビートからはヒップホップの香りを感じるし、「Tintin」にしても曲としてしっかり強度のあるエレクトロニカに仕上がっている。

10分近くある最終曲「Atta Atta Atta」も見逃せない。6分過ぎのビットレートの低いシンバルの音も良いが、8分辺りから始まる民族音楽(?)のサンプリングが妙に琴線に触れてくる。M7「Harmony」といい、こういったサンプリングの巧さが感じられる曲はアルバム全体の雰囲気を引き立てるの一役買っている。

だが、LacosteのCMで使われた曲をそのままサンプリングし、「Givenchy」と名付けてリリースしてしまうような諧謔性を持っているのもMensa Group Internationalの面白いところである。音楽のスタイルは変わっても、こういった部分に何故かヴェイパーの香りを感じてしまうのは僕だけだろうか。

そうして見てみると、このMensa Group International회사AUTOのような、ヴェイパーのマナーを引き継ぎながらも新たな音楽性を追究するアーティストの一人と言えるのかもしれない……いや、彼はこう書いている筆者を嘲笑っているのかもしれないが。

ともかく、この『FJORDS, VOL. V』は非常にヴァラエティに富んだ作品だ。何よりフリーダウンロード。Mensa Group Internationalの作品に触れるにはうってつけの作品だろう。

Words by @La_reprise

LISTEN: TRAXMAN & PAISLEY PARKS // FAR EAST EP, Copkiller // Alien Soccer, THE DARKEST FUTURE // FLORAL SHOPPE 2 etc.

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TRAXMANと言えば先日の来日ツアーに全国各地のジューク・ラバーが湧いたわけだが、実際の現場で体感することが出来なかった自分としては、とにかく、DOMMUNEでのDJが衝撃的だった。彼のプレイする「Double Cup」には特別な意味があったし、言葉には出来ない躍動感に終始していて、マン・パワーがそのままアウトプットするジュークという音楽の持つ可能性に感銘を覚えたのだった。そんなTRAXMANが極東のレーベル〈Бh○§†〉から。日米のジューク/フットワークのシーンを代表する二人による強烈なスプリット。

シカゴはイリノイの〈Rainbow Bridge〉から素晴らしく鋭利な音楽が来ていた。”警官殺し”というおっかない名前の殺人鬼は自身の音楽を”サイケデリック・ダダ・EDM”としている。どんどんとぶつ切りにレイプされていくEDM。その果てにあるのは凄惨な死体である。皮肉の効いた良質なノイズ・ハードコア。最高!

永遠のヴェイパー・クラシック『FLORAL SHOPPE』の続編が〈Dream Catalogue〉から(恐らく勝手に)リリースされたぞ!僕たちのアンセム「リサフランク420 / 現代のコンピュー」を忘却の彼方へと押し込み、出来上がるはホラーとインダストリアルを汲んだクラウド・ラップ的な仕上がり…。何なんだ…何なんだコレは…。

最近注目しているシカゴの作家。アンビエントやニューエイジ色が強いとき”ではない”Angel 1(例えば「12.27.13 [live excerpt]」とか。)のサンプリング・センスに通じるものもあって、同時にLockboxなども引用できるかなと。

ビートメイカー・Weed KonductaのEPがメキシコの〈PIR▲.MD〉より。といっても4月リリースだから情報は遅い。アダム・ハーパーのブログに載っていたので聴く価値はあるだろう。

サン・ラの偽ブートレグ(2011年作)!一瞬グロ画像かと思ってしまう赤くサイケに染まったジャケット。内容はサン・ラをインスパイアしたDJ的目線の構築物ということでいいのだろうか。というかサン・ラ自体をしっかりと聞いた事ないので何とも言えないのだけれども、このサイケ・ジャズとでも言うべき音ならば興味がある。

K-POP男性グループの中ではBlock BやExoと並んでフェイバリットのSHINeeのメンバー・TAEMINのソロ。鼻と耳をピアス&チェーンで繋ぐという、それ、何かに引っ掛かったら超痛いだろ…なファッションでデンジャーしている。そういう意味のデンジャーなのかな!?というか、K-POPのMVって絶対に「_(アンダーバー)」があるけれど、何か理由があるのだろうか。

Words by @LIL_SEGA

LISTEN: Rabit // Pandemic Transmission II, Sugur Shane // Kill Da Bitch EP, Nima // See Feel Reel etc.

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Rabitの新作ミックス?ミックステープ?とにかく凄い!OPN~ディストロイドを感じるオープニングからノイズ~ドローンを経由、ウェッサイのヒップホップ挟んだり、ハウスやダブステップに寄ったり。ホルマリン漬けにされた得体の知れないグロテスクな何か。感染していくダーティー・ウィルス。

WOAH!フィリー&NYのラッパー、Sugur ShaneがEPをリリース。普通に販売もしているのだけれども、フリー・ダウンロードでも公開しちゃっているという。彼はヴォーグの流れも汲んでいて、この筋骨隆々なオカマ感は最高にカッコイイのだ。そういえばMS. THINGもミックスに彼を収録していて、それがまた最高に決まっていた。EPにはLil Texasなどのリミックスも収録。豪華~!Kill Da Bitch

以前取り上げたこともあるVISTAASが待望の新作~!ドローンのドロはドロドロのドロ!ズシリと重たく淀んだ空気の向こうから響いてくるは、壊れかけのレディオから流れてくるような…。Wanda Groupの重厚感とは程遠いかもしれないけれど。

リスボン・ゲットーの中心地〈Principe〉から新作が来てた。調べたら先月には発表されていたようなんだけれども、バンドキャンプのフィードで流れてきたのは最近ということで。相変わらず刺激的な現代トライバルを聴かせてくれる。

ドリーミーなシューゲイズのことを一部ではドリームゲイズと呼んだりもするけれど、Chemists // 化学者のそれは実にピッタリだと思う。インディー然としたサウンドをベッドルームの感覚で処理した浮遊感と煌めきのある音楽は純粋に美しい。名前が一時のヴェイパーっぽいけれど、全く関係ないので誤解のないように。

ブラジルの〈VICTIM!〉より。ジャケからしてインターネット的なアプローチかと思いきや、内容は良質なアンビエント/ドローンだった。執拗なリフレインも何の違和感なく入ってくるし、処理の仕方と着地が上手いと思う。女性の声によって幽玄な世界も広がっていて良し。

Golden Mosesは『Face Boot』でシンセ~ファンク~ベッドルーム~アンビエントの中間値を取ることに成功している。絶妙なバランスの上に成り立つポップ・ミュージック。シム・シティ的な世界も想起できる。

カリフォルニアの〈Rotifer〉からWave Templesの新作。大自然に響く一点の曇りなきアンビエンス。早朝のひんやりとした空気、鳥のさえずり、密林、透明度の高い海。あらゆるロケーションが脳裏に浮かぶ至極のひと時。現代に疲れたあなた、Wave Templesを聴こう。

Nimaがアトランタの〈Harsh Riddims Blood Sucking Cassette Co.〉から。トラップ消化のレフトフィールド・オブ・インターネット。ドロドロとフワフワの間を突くバランス感覚、お見事。

RPGに出てくるような魔法陣のジャケットとそのファンタジーを具現化した音楽。収録曲「A Carapace For Carter’s Snort」は現世を忘れさせてくれるトリップ必至のノイズ・アンビエントなる魔法だ。

canooooopyがツイートしていたLAの作家。名前/ジャケ/音楽。最高に美しく、時にダウナー。美麗なのだけれどもどこか陰鬱な雰囲気の漂うルードな空気。このアルバムにメトロノリが反応していたというのも、彼女らしさが伺えて良かった。『Singles』ってことは一応はベスト盤みたいな扱いなのだろうか?

新興レーベル〈Aught〉の2作目。プチプチしたノイズの背後で進行していく、無機と有機を繋ぐ癒されテクノ。素晴らしくアンビエンスを感じる。冷涼感あって良い。というか透明のカセット、超萌えるんですケド…。

サンフランシスコのビートメイカー・RITCHRDの新作ビート・テープ。ウェット&ファンキーで夏にピッタリ。それにしてもJUNIOR MUNGUSとのスプリット作に収録された「COME」は未だによく聴く。

Words by @LIL_SEGA

HHW-MIX: #17 GET FACE - MOST VALUABLE PLAYER

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Tracklist:

  1. Nguzunguzu - Timesup
  2. Kelly Rowland ft. Eve - Like This
  3. Total Freedom - DESIRE ON DJ MIKI(FACED EDITORIAL)
  4. Total Freedom - YB VOICE SONG
  5. Bok Bok - Hyperpass
  6. Missy Elliot ft. Jay Z - Ching-a-Ling
  7. Jeremih - Bo Peep (Do U Right)
  8. Lil Wayne - 6 Foot 7 Foot
  9. Danity Kane - Damaged
  10. Keri Hilson - Pretty Girl Rock (John Gillette Cover)
  11. Aaliyah - Are you That Somebody
  12. Next - Wifey (Jaw Jam Bootleg)
  13. Nao vs. A.K. Paul - So Good
  14. Spandau Ballet - True
  15. TBaby - It’s So Cold In The D
  16. August Aslina - I Luv This Shit
  17. Tinashe - 2On
  18. Silk - Freak Me
  19. Kelela - Do it Again
  20. Tyler, The Creator - Yonkers
  21. Tyler, The Creator - Yonkers (Tampa Club Re-Edit)
  22. Ciara - Overdose
  23. ??? - Drop It (Baltimore Club)
  24. MikeQ & DJ Sliink - Werk’d It
  25. Drake - Trust Issues
  26. Meek Mill - Levels
  27. Bun B – Draped Up
  28. Mykki Blanco - Wavvy
  29. FKA Twigs - How’s That
  30. Lil Wayne ft. Boby Valentino and Kidd Kidd - Mrs. Officer (Get Face Remix)
  31. AL T4RIQ - Chiral
  32. Sean Paul - Temperature
  33. Yung Wall Street - Onesie
  34. Snoop Dogg - Drop it Like it’s Hot
  35. OoOOo - Pckrfcrmx
  36. Whitney Houston - It’s Not Right But It’s Okay 
  37. Solange - Losing You (Princess TahPaul Cover)

GET FACE:

フロリダのプロデューサー。先月公開したミックステープ『SUPERLATIVE TETHERS MIXTAPE』は収録曲の全てが彼の手によるマッシュアップという力作。クリス・ブラウン×コナ・トライアングル、ビヨンセ×キングダム、コロナ×LOLボーイズ、ドレイク×ホーリー・アザー…バラエティに富んだ組み合わせ、そして、忙しなく展開していくミックス。今回、彼が提供してくれたHHW-MIXも37曲収録と密度の濃い内容となっている。終始テンション高め、チャラさも充分!MS. THINGなどと同期する選曲センス、非常にイマっぽくてオススメ!

more GATE FACE:

Words by @LIL_SEGA

INTERVIEW: 楽団 象のダンス

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先日大阪で開催された”見放題2014”を観に行った。インディーズ系のバンドを中心に100以上のアーティストが参加するライブ・サーキットだが、偏り無く様々なジャンルの音楽を聴くことが出来る最高のイベントだった。私自身、その時のフィーリングでウロウロしていて、結局名前も知らないアーティストを20バンドほど眺めてきた(全力疾走しながら)。

フラフラと気になった名前の知らないバンドを観ることに楽しみを見いだしていたのだけれど、とある会場で一際異彩を放つバンドに釘付けにされてしまった。楽団 象のダンスだ。彼らは他の会場のバンドとは明らかに違う。刺々しさなんてものは一切無く、柔らかな空間を作り出す。その会場をゆったりとしたリズムで支配し、誰もがその心地よさに酔いしれていた。ダンスという名を冠しているが、今主流のツー・ステップを求めるでも無く、ただただリラックス出来る世界がそこにあった。

どうしても彼らの事を知りたいという興味から、楽団長である佐藤氏(@zounodancesato)にメールによる簡易インタビューを敢行した。

Interviewed by @TakeMusik2

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